国としての独自性を追い求める思い

(日経「春秋」2014/2/12付) カザフスタンのナザルバエフ大統領が先週、国名の変更を提案した。「カザフエリ」、カザフ語で「カザフ人の国」という意味だそうだ。現在の国名も同じ意味。どうも大統領は「スタン」がお気に召さないらしい。モンゴルは末尾に「スタン」とついていないから外国人に魅力的なのだ。北はカザフスタンから南はパキスタンまで、ユーラシア大陸中央部には「スタン」で終わる国がいくつもある。大統領としては自国の独自性をアピールしたいようだ。ニュージーランドではキー首相が、国旗のデザインを改めようと提案している。隣国オーストラリアの国旗と似すぎている、というのが理由だ。外洋との接点がないカザフスタンと、四方を外洋に囲まれたニュージーランド。お国柄は随分と違うが、国としての独自性を追い求める思いを両首脳がはからずも共有した。時として国には、そんなダイナミズムが求められるのだろう。もちろん、透明性の高い手続きで平和的に進むことが大前提だけれど。
(JN) 国の名前や国旗を変えようというのは、大統領や首相の思い付きであるのか、国民から揚がってきている声なのか、どうなのであろうか。カナダが国旗を変えた時はどうであったのか。何れにしても、賛成派と反対派が生まれて、その主題とは関係なく喧々諤々となるのであろうか。我が日本であれば、それはまた建国以来の云々と囂々たるものになるか。もし国の名前を「東国」と変えたらどうだろう。わが国は日出づる東の国である。そうすれば日本海は東海になる。大変怒られそうな例を出し申し訳ない。冗談はさておき、他国の話ではあるが国家は国民の意志を十分に考慮して国名なり国旗の変更をお決めいただきた。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66685790S4A210C1MM8000/