「生産年齢」を64歳までに限ることはない?

(日経「春秋」2013/8/31付) 「初老」という言葉は最近あまり使われないが、辞書を引くと、もともとは40歳の異称なのだそうだ。現在だと何歳くらいなら初老と呼べるか? NHK放送文化研究所の調査によれば男性55.5歳、女性58.4歳だと。先日の総務省の発表によると初老よりずっと年長の、65歳以上の「老年人口」が今年3月末時点で3000万人を超えたという。かたや15〜64歳の「生産年齢人口」、つまり世の中の働き手の数は8000万人の大台を割り込んでしまった。少子高齢化のすさまじさを物語る数字を突きつけられると、ニッポンの危機の深さにあらためて暗然たる思いが募る。高齢でも元気で意欲のある人が働きつづけられる環境を整えなければならない。なにも「生産年齢」を64歳までに限ることはないのだ。「初老」はむかしとは様変わりした。「老年」だって新しい解釈があってもいい。
(JN) 年令が重なった者が仕事を続けるか退職するかは、現状を十分に認識しての個人の判断が第一であろうが、日本という国は簡単な平等基準である。表向き平等であるように見えるが、労働は意欲と能力が大事なはずだ。但し、辞めるということはその能力を必要とするので、「惜しいな」というところで判断する機会を作る必要がある。また、若手の邪魔になってはならない。さて、自分はどうであろうか。「まだ頑張るのかよ」と言われるまでいる力を維持できるか、さっさと定年前に退職するか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59149860R30C13A8MM8000/