忘れないだけでなく、理解を深めるための試みを

(日経「春秋」2013/9/1付) あす月曜日の朝、おそらく多くの人たちが「あの瞬間」の自分を思い起こすことになるだろう。「あまちゃん」の中の時計が、東日本大震災の起こった2011年3月11日午後2時46分を迎えそうなのだ。ツイッターでは、きのう放送の予告編を受け、舞台となった街の実際の被害状況、街の現状などについて調べ、結果を書き込んだ投稿が目立ったそうだ。架空の登場人物への心配が、現実の東北に改めて目を向けさせた。物語の持つ力といえる。演出陣の一人、井上剛さんはドラマ「その街のこども」の監督でもある。舞台は阪神大震災から15年後の神戸。震災当時の子供が大人になっても抱える心の傷を丁寧に描き、後に映画館でも上映された。90年前のきょう、関東大震災があった。現在公開中のアニメ映画「風立ちぬ」は、この震災で揺れ、燃える東京の街と、炎から逃げ惑う人々を緻密な筆致で再現した。ネット、ドラマ、アニメ。忘れないだけでなく、理解を深めるための試みを、さまざまな形で続けていきたい。
(JN) それぞれに経験した者は忘れたい出来事出るが語り継いでいかねばならないのであろう。それは未来に生きる人たちのためにであり、また自分のためでもある。被害を受けるのは我々であるから、自分の出来る範囲で積極的に出て行って活動をしよう。自然災害への対応だけでなく、政治家が起こす暴力行為にも対応するためには何ができるのか、みんなで考えてみよう。そのためにも、辛いシーンを見て考えてみましょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO59174580R00C13A9MM8000/