(日経「春秋」2013/7/3付) 20世紀の初めにフランスの首相になったクレマンソーが「公務員は図書館の本にちょっと似ている」と言っている。「一番役に立たぬものが一番高いところに置いてあるから」。公務員の配置にも身内には通じる理屈があるのだが、先週末に発表になった中央省庁の幹部人事を見ると、その理屈が揺らいでいるらしい。今年はサプライズが目立ったと報じられた。厚生労働次官に就いた村木厚子さんを筆頭に女性を登用し、本命とは目されていなかった人をトップにする。要は役所の慣例に首相官邸が手を突っ込んだということである。クレマンソーには「公務員こそが最良の夫である。夕方帰宅したとき疲れていないし、新聞はもう読み終えている」と。毒舌家の鼻を明かすためには、人事が役所の因習にまみれても政治の人気取りに使われても困る。
(JN) 日本の公務員はクレマンソーが言うほどではないであろうと祈りたいが、近所の役所の様子を見ると税金泥棒と思うこともある。しかし、それよりもやはり公務員は給料が高かろうが安かろうが公務員は公務員、衆目を集める。我々から集めた税金を有効に活用されることが大事であり、良いように政治に使われても困る。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56913690T00C13A7MM8000/