需要が生まれた時には準備ができているようにしておくこと

(日経「春秋」2013/7/4付) GMのアルフレッド・スローンは「事業部制の父」といわれる。事業部に権限を与えて様々な車を開発させ、消費の主役に躍り出た大衆の心をとらえた。「需要が生まれた時には準備ができているようにしておくことが、メーカーの務めである」。その言葉通りGMは、水素と酸素の反応で電気を起こし、モーターを回す燃料電池車を世界で初めて開発した。スローンが世を去る66年のことだ。その米国の象徴でもあった自動車メーカーが経営破綻したのは4年余り前。市場の変化をみて手を打っていく力が衰えたためだが、どこまで取り戻せているだろう。半世紀前に挑んだ燃料電池車は世の中の関心が盛り上がり始めている。ホンダとの提携を通じ、価格をどのくらい下げた車を送り出せるか。地力が試される。スローンは経済情勢の変化や技術革新が速いため、財務の健全化に力を入れた。事業部制も採算管理に役立った。こうした積み重ねがあったから新技術の創造に積極的に投資できたのだろう。スローンに学ぶことは今も多い。
(JN) 衰退しようと今を守ろうとする者と未来を考え改革をする者と、世の中は常にこれが続いている。そのバランスが良ければ、そこは継続して栄えるのであろうが、そうでないことが多い。特に、好調である事が続くと保守派が強くなろう。巨人GMの生成発展没落を忘れてはならない。そして、スローンに学ぼう。図書館へ行ってきます。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56952860U3A700C1MM8000/