旅立ちと別れを演出する駅 240318

 16日からのJRダイヤ改正に『天風録(240316中國新聞)』は思う▼「東京で見る雪はこれが最後―」。「なごり雪」を伊勢正三さんが世に出し、今週で50年▲思い描いたのは東京の駅ではない。古里の日豊本線津久見駅をモチーフ▲かつて上京の玄関口だった九州の在来線の駅は乗客の先細り。この駅も効率化にさらされ、駅員無人の時間に視覚障害者が特急にはねられる事故が、おととし起きた▲ダイヤ改正は列島の駅の情景をさらに変えるだろう。北陸新幹線にぴかぴかの6駅。四国は11駅を無人化、北海道は無人駅すら五つ消える▲津久見駅の記念碑に、伊勢さんは「ホームと言えば 心の奥深く いつもこの景色があるのです」と。時は行けど、旅立ちと別れを演出する駅の役回りは守っていきたい。

 (私は)4月1日の朝、どんな顔をして駅のホームにいるだろう。出発の駅のホーム、近づく列車、複雑な気持ちである。列車に乗ってしまえば、もう逃げられない。別れ、旅立ち。もう直ぐ、2023年度が終わる。もう直ぐ、2024年度という列車に乗り換えねばならない。新年度、環境が変わる。期待と不安の時である。