子どもたちは画面に夢中になってはいまいかと『あぶくま抄(240812福島民報)』は思う▼シャーロック・ホームズは相手の両手を観察し職業を言い当てる名人。「赤毛組合」、相談をしにきた男性を一目見て、肉体労働者だった過去を見抜いた。右手が左手より大きかった。重労働によって、利き手がたくましくなっていた▼こちらは、現代人の「習慣病」、小指が外側に曲がってしまうスマホ指。端末が滑り落ちないよう長時間、支点として力を込めてきたために起きる。筋肉量の少ない女性や子どもに多く見られ、痛みが伴う▼子どもたちは画面に夢中になってはいまいか。大人が「名探偵」となり、仮想空間に熱中し過ぎる難問を鮮やかに解決してあげたい。体に変調が起きる前に。
(私は)思う。スマホによるトラブルは指だけではない。眼、姿勢、心、時間、歩行事故等々、気を付けなければならないことが沢山ある。刺激的で魅力的な玩具である。子供だけでなく、大人もこの小さな画面に吸い込まれて、自分を失っていく。この誘惑に負けないためにはどうすればいいか、大人が先ずは態度を示す必要がある。
*画像は2024年8月11日の日本経済新聞より。