戦地の平均寿命は日々短くなる 240814

 お盆に『日報抄(240813新潟日報)』は寿命を思う▼墓石をなで、先祖の俗名、享年の数え年、往時の笑顔をしのぶ▼2023年の平均寿命は女性が87歳台で世界1位、男性は81歳台で5位。新型ウイルス感染症で国内は4年前から多くの人が亡くなり、寿命が延びたのは3年ぶり▼寿命は伝染病に加え、戦争の影響が大きい。1947年は男性が50歳台、女性は53歳台。5年後には出生数も急増し、平均寿命は男女ともに60歳前後▼いま、パレスチナ自治区ガザでは戦闘開始から10カ月で死者が4万人に迫る。ロシアに侵攻されたウクライナでは、今年上半期の死亡者は戦闘の犠牲者を含め約25万人。出生数の3倍にも上った▼戦地の平均寿命は日々短くなる。このお盆の墓参りは遠い戦地の犠牲者にも思いをはせ、手を合わせたい。
 (日本の)8月は、祖先を迎える時であり、空襲、原爆、敗戦を思う時である。戦争を行うための軍隊というものが我々に必要であるのか。米軍の占領地のままで良いのか。他国の不幸、戦争は関係ないのか。どの考えが絶対というのではない。それぞれが置かれている諸条件において、皆それぞれに考えたい。ご先祖とも話したい。