『#コッソリ読み』<2022年10月30日(日)>
読書週間と本のカバーに『天声人語(221030)』は思う▼書店レジで本がカバーで覆われる。その瞬間が好きだ。ちょっと秘め事ができたような不思議な気分▼清水幾太郎が、電車のなかで自分の本を他者に知られるのは「心の内側を覘かれたような」気持ちだと▼著者と自分の心が「本当に噛み合う」というとは「秘密の事柄のような気がする」。それは「コッソリとやる」のが当然ではないか、と清水▼小中学生の本を読む数が30年前に比べ倍増。朝読書の時間を設ける学校が出ているのが影響しているらしい▼教室で読むのも楽しいだろう。でも、コッソリ読みもおすすめしたい。清水が感じた恥ずかしさは、世代を超えて共感できるものと思うから▼読み終わった本はカバーをはずし、自宅の本棚にならべる。あとどれだけの本に出会えるのか。「秘密の事柄」をいくつ重ねられるのか。秋晴れの広がる週末に一人思う。
(私は)本屋さんでカバーをしてもらわない▼といって、電車のなかで読む本は裸ではない。お気に入りのカバーを着せている。スマホが並ぶ電車の座席のなか、コッソリと本がある▼「それでも地球は動いてる」。太陽の位置を確かめながら、席を選んで本を読む。そして、夢の世界へ。
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