『平和な時が来たら後世の人に伝えてほしい』

<2016年11月18日(金)>
『平和な時が来たら後世の人に伝えてほしい』
 『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争』を「天声人語」(161118)は紹介する。「終戦までの8年、地元の村長だった原弘平氏が秘蔵した135点。『求めよ国債 銃後の力』『戦線へ弾丸を 支那事変国債』『強く育てよ御国の為に』『お父さんお母さんボクも空へやつて下さい』『散つてかひある命なりせば』。テレビもネットもない時代、政府の欲した『一億一心』はかくて醸成されたのだろう。敗戦直後、当局はポスターを焼くよう関係先に命じた。だが原氏は従わない。『平和な時が来たら後世の人に伝えてほしい』」。
 自分が戦争中に日本にいたら、何ができたであろうか。何もできず、お国に従っていたであろうか。心も、軍国主義の奴隷になっていたであろうか。そして、その時を語らずに一生を終えたか、それとも、後世に事実を伝えることができたろうか。その事実を残し、そして自分の行ったことを明らかにすることは勇気が必要である。こういった大変な努力のおかげで、過去を知り戦火での人々の苦しみを少しでも知ることができる。(JN)