『雁風呂とインフルエンザ』

<2016年11月19日(土)>
『雁風呂とインフルエンザ』
 「雁風呂」伝説、「余録」(161119)は渡来する渡り鳥の携えてくるものを心配する。伝説では木片であり、命を落とし帰国できなくなった鳥の所有物の木片で風呂をたき供養する。しかし、鳥たちが携えていたは木片ではなくインフルエンザだ。ウイルスは地元の鳥にも感染し、多くの鳥たちの死を招いている。「近隣の養鶏業者の不安は募ろうが、鶏卵や鶏肉を食べた人に感染した例はないから消費者は冷静でいたい。」そして「来春に供養すべき鳥が一羽でも少ないことを願うしかない。」
 海を渡ることが難しい時代や鎖国の時代であろうと、鳥は、海外から日本へやって来ることができた。その際に、ちゃんとお土産も持参する。遥か彼方からインフルエンザの土産を持ってくる。これには参る。自由に空を飛べる憧れの鳥たちが、天よりやって来る死の使者となってしまうのは、自然の摂理か。この状態は、自然に任せるしかなのかい。我々ができるのは、「雁風呂」で供養することしかできないのか。(JN)