『前項の規定にかかわらず、・・・・・をすることは』

『前項の規定にかかわらず、・・・・・・・・をすることは、認められない』

 「春秋」(日経/16/7/23)は、自民党憲法改正草案を子どもをすし屋に連れてきたお父さんのようだと言う。「さあ、どんどん注文していいぞ」、でも「高いものはダメだぞ。パパを困らすなよ……」と。第21条には、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」。第12条も然り、「草案のコワモテぶりは、時代遅れの校則みたいである」と。「冷静な改憲論議のためには棚にでも上げて置くほうがいい。」

 法律と言うものは、それを作った者のためにあるのか、そのための逃げ道を準備する。でも憲法は、国民を守るためにあり、権力を守るためのものではない。況してや第10条からの「国民の権利及び義務」は国民に足枷をしてはならないのに、第21条の「集会、結社および表現の自由と検閲の禁止、通信秘密の保護」に手を入れようとは如何なることであるか。国民とは思わぬ選択をすることがあるので、誤った選択をした時に12条や21条が不自由であったらどうなるのか、恐ろしい。(JN)