『紅葉は秋の季語ですが、だんだん怪しい状況になっている』
「2人のお姫様の化粧は、どちらも美しい。しかし、佐保姫と竜田姫の出番や美しさに変化が」。「天声人語」(朝日/2015年12月3日)は、温暖化対策会議COP(コップ)21に思う。「73億人の地球。空や海の包容力にいつまでも甘えられるものではない。人類共通の難題を前に英知の見せどころであろう。師走に青いカエデの葉が、地球の危機を映している。」
生きものは自然環境とともに変化をしてきた。そして、人間は、その自然環境を自分の都合の良いように、その生活圏に手を加えてきた。特に産業革命以降、そのために化石燃料を大量に消費し、自然環境を破壊してきた。その激しい変化は日本ならば明治新以降のことで、150年足らずでの激変である。西洋列強に押しつぶされないように、只管、坂の上の雲をめざして、経済力を上げることを目標として来た。その間に様々なことがあり、第2次世界対戦のように忘れたいことも多くあった。幸い日本人は、四季のある自然環境の中、季節の変化とともに忘れ、木造社会の中でスクラップアンドビルドを繰り返し、場合によっては豊富な水に流すこともできた。しかし、地球温暖化はその季節感を失い、大事なものまで水に浸かってしまうことになる。私たちはこの環境の変化に自分たちを変えて行くのか、それとも変化を押さえる努力をするのか、或いは人類の滅亡を待つのか、選択の為所である。私としては、今の紅葉を残したい。(JN)