「川崎市の老人ホームの転落死、このまま藪の中で終わらせては』

川崎市の老人ホームの転落死、このまま藪の中で終わらせては』
 「介護する側と受ける側の関係。外の世界からの閉鎖性」について、「天声人語」(朝日/2015年11月16日)は、「それらが最悪の形で表れたのが、川崎市の老人ホームであろう」と。そして、「ケアをする/されるという関係」を超えて向き合う「介護民俗学」の六車由実さんを紹介する。更に、「介護現場の多忙や緊張は、素人の想像を超える。それでも一つ一つ解きほぐすしかない。人生の終盤を過ごす場で生命の危険まで心配しなければならない、そんな世の中はごめんだから」と。
 私は焦っている。先月、『生きて帰ってきた男』を読んだ。小熊氏が父親からの聞き取りを基にした昭和の歴史である。父親が段々と記憶を無くしている。正に、戦前、戦中および戦後の歴史をまだまだ父から聞き取っていない。そんな中、父の「要介護」の数値が上がって行く。そして介護という仕事がいかに大変で、大切か、身に染みてきた。段々にコミュニケーションが難しくなり、体は不自由になって行く。それを個々の家族で対応することは難しく、施設の力が必要だ。それなのに施設が信用できなような情報があると心配である。まずは、川崎市の老人ホームの転落死の原因を知りたい。(JN)