『「本屋さんの逆襲」が話題になっている?』
昨今、ネット書店の勢力拡大に、各書店は『書店不屈宣言』、「本はかたちがあってこそ本だ」、「紙とインクでできたモノなのだ、と」。朝日「天声人語」(2015年9月24日)は、「目当ての本を手に入れるだけの場所ではない。書店は、未知の書物との魅惑的な出会いの場でもある」という。私も同意する。
本は楽しい。自分から謎の世界に入り込み、自分でその世界を描き出す。それは、紙であろうと、電子ブックであろうと同じである。でも、その前に、その本との遭遇も楽しみである。本屋さんに入り、背表紙を眺め、インスピレーションではないが、ふと題名が目に入り、手に取る。パラパラとページを捲る。最後に値段を見る。図書館も良いのだが、街の書店は自宅と駅との間にあり、そこの店主の思想がある。街の書店、子ども時代からの楽しみでもあったし、社会人となり帰り道の立ち読み、また自分の街以外の出張先でも行われた。子供のころは、貸本屋さんというものがあり、古い漫画や本を数十円で借りた。その本がボロボロ出会ったりすると、おばちゃんがこれはもっと安くしようと値引きされた記憶がある。地方出張では、街の本屋さんや古書店を覗くのが楽しみであった。思わぬ発見があり、出張の帰りの荷物が重くなった。しかし、街から小さな本屋さんが少なくなり、その代りにコンビニエンスストアーが増えたように思われる。残念だ。さて、ネット書店は、何時でも開いていて、大体、目的の本がある。これも便利である。本は重いし、目的のものを買う時はネットであるが、出会いは街の本屋さん。大型書店にも良さはあるが、体力と時間では街の小さな本屋さんが良い。(JN)