『全国の小学校であった児童の暴力行為は約1万1千件に上る』

『全国の小学校であった児童の暴力行為は約1万1千件に上る』
 暴力振るう子ども、日経「春秋」(2015/9/23付)は、彼らを想う「暴力を振るう子どもも、また被害者なのだろう」と。
 「同級生が持っている本を見たいと、いきなり相手を蹴って、『貸せ!』と取り上げた。授業中の態度をとがめたら、殴りかかってきた。昨年度中に全国の小学校であった児童の暴力行為は約1万1千件に上る。低年齢化が進み、1年生の暴力は8年前の約5倍になっている。『子は親の鏡』と言うが、大人の世界はどうだろうか。たとえば昨年度、主な鉄道の駅員や乗務員が受けた暴力行為は800件。乱暴したので、先生が『お友達をたたいちゃダメだよ』と注意すると、『うちの父ちゃんはもっとすごい』と答える子どもがいるという。そんな悲しい循環があるのだとすれば、やり切れない。暴力を振るう子どもも、また被害者なのだろう。」
 小さいうちから、人との接触の中で、やり取りを覚え、場合によっては、殴り合いを経験することもある。暴力の経験は、できるだけ避けて行きたいが、悲しいかな人間は体験しないと、その痛みが分からない。そのために、口頭や文書での体験のほかに、体での体験も積むこととなる。それは、遊びや武道やスポーツである。一方、問題は、悪循環の家庭内暴力なのであろうか。家庭での出来事が通常の生活の出発点となる子供たちに、その世界から脱出させることは並大抵のことではない。でも、そのことを子供に知らしめなければならない。私たちそれぞれの家庭が親から引き継いだことが、実は世間では非常識な場合がある。それをどの時点で知り、それをどのようにして行くべきか、個々に違いがあろう。これは、学校や行政だけでできることではなく、地域の力が必要である。子どもも大人も、地域社会を再構築していくことが必須である。(JN)