なぜあの大事故の後も原発を持ち続けようとするのか

なぜあの大事故の後も原発を持ち続けようとするのか
(日経「春秋」2015/3/11付) あと1日、東日本大震災から4年というきょうまで日本にとどまっていたら、と残念に思う。1泊2日で慌ただしく終え、10日に離日したドイツのメルケル首相である。きょうなにかを語れば、普通の人々の対独観にも変化が出ただろうにと想像する。ドイツは3.11に最も敏感に反応した国だ。日本の針路とは違う。だから、もしメルケル首相がきょういれば、「脱原発」は勢いづいたかもしれない。どの国同士にも政策に違いはあって当たり前だ。問題は、互いの立場を分かりあう努力が足りなかったことだろう。「なぜあの大事故の後も原発を持ち続けようとするのか」と日本を異端視するドイツ、「コスト増に目をつぶる人気取り政策」とドイツをみる日本。メルケル首相は忙しい。しかし、子どもの放課後も首脳の外交も、予定というのはおしなべて優先順位次第の相対的なものである。原発政策の違いは違いとして、1万8千人以上が犠牲になった特別な日をドイツの首相が日本で過ごす。そんな発想はなかったのか。「疎遠」とも評される日独の関係、まだまだの感を抱く。
(JN) 想像だが、3月11日にまでメルケル首相に居ていただくかは、日本側の都合であったろうか。原発に対する姿勢を考えると、帰っていただいた方が良いので、引き留めをしなかったのではないか。被災者をはじめ国民のことよりも、大事にするものがあったのであろう。物理学者でもあり、脱原発の首相が長く滞在しても不都合であるのか。これだけの有能な首相と国民との交流が本日まで続いても良かったのではないか。お忙しいであろうが、そこを何とか引き留めて、原発を考えることができなかったものか。安倍対メルケル公開討論会などやったら面白かったろうに。来てもらったが、さっさと帰ってもらったようで、何とも悲しい。これは勝手な考えだ。でも、我が国の改革に、外圧を期待してしまうようでは駄目ですね。我が身で何が大事か考え、我が手で環境を改善して行くことを考えましょう。「なぜあの大事故の後も原発を持ち続けようとするのか」。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84224560R10C15A3MM8000/