「皆さん肩までお湯につかると、必ず笑顔になります」
(日経「春秋」2015/3/10付) 波打つ日本海を背景に走る新幹線。その向こうには、雪をいただいた立山連峰がそびえ立つ。こんな「風景」を眺められる場所が東京都内にある。そのためには服を脱いで裸になる必要があるのだけれど。富山市の物産販売や観光業者などでつくる会が、都内の銭湯に立山の景色を描いてもらう試みを続けている。いまは8カ所の湯船が、立山を仰ぐ特等席になっているのだという。また、千葉・検見川の「梅の湯」には、東日本大震災の津波に耐えた岩手・陸前高田の「奇跡の一本松」が描かれている。必ず夜は明ける、との思いを込め、背景は朝焼けにした。評判を聞いて訪れた人が、「あそこに私の家があったんです」と涙を流したり、絵に向かって「頑張っているかー」と声をかけたりしているという。被災地ではどこでもといっていいほど、銭湯が再開すると列ができる。食料や水と同じように、大切なお風呂。「皆さん肩までお湯につかると、必ず笑顔になります」。阪神大震災の後に仮設銭湯を設置した自衛隊員が話していた。今年も「3.11」がめぐってくる。震災が教えてくれる日常のありがたみがここにもある。
(JN) 日々、寝る前に風呂に入り、暖まって布団に入る。お風呂が大好きな人の多い日本、シャワーも使うが、湯船につかることで一日が終わる。愚かな当方など、お湯の中でこのまま気持ちよくずっと寝ていたいと思っていしまうほど素晴らしい。贅沢言えば、偶には多くな風呂に行きたいと、自宅以外に銭湯にも行けると、それも楽しい。更に、温泉地に宿泊できれば最高だ。地震と火山の国ゆえ、温泉の恩恵を置く得られる。生きる糧として、飲食や目標と言ったことともに、心身の糧にお風呂は欠かせない。私たちは、一生懸命、生きるのが精いっぱいではあるが、その隙間、隙間で楽しみを持ちたい。パンのみに生きるに非ず、その一つとして、お風呂文化を大事にして行きたい。日常のその当り前にも感謝したい。この地震国の住人としてみんなで協力して、できるだけ当り前の暮らしを保障して行こう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84173340Q5A310C1MM8000/