法律の顔を立てることを忘れ、恬(てん)として恥じない自民党

(日経「春秋」2013/11/10付) 囲碁や将棋の棋士が「顔を立て法律の顔を立てることを忘れ、恬(てん)として恥じない自民党である」と言うことがある。「自分が選んできた手の顔は立てなくちゃ」という具合に使う。一局の勝負をどう戦うか決めた以上、途中で趣旨に背くような手を選んではいけない。一方、美意識と無縁の人たちに驚いた。法律の顔を立てることを忘れ、恬(てん)として恥じない自民党である。すったもんだした揚げ句、憲法改正の手続きに必要な国民投票に参加できる年齢を当面は20歳以上とする国民投票法の改正案を決めたのだという。2007年にできた国民投票法は、18歳以上に投票権を認めているのに。約束が守れぬなら、国民投票だけでも18歳から認めるのが筋だろう。法律を6年前成立させたのも安倍政権だ。自らの顔もつぶし、なにより若者の顔をつぶし。理解できない話である。

(JN) ポリシーに基づき法律作成がされるはずである。安倍首相が法律の扱いを変えようということは、当該のことに対してのポリシーをどこかで変えたのであろう。それはなぜであろうか。以前の考えが間違っていたのか。以前の考えでは不都合が出たのか。今度、より良い考えがあってのことか。その理由は機密事項なのであろう。

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO62365740Q3A111C1MM8000/