いざという時の危険度合いは年を追い増していく

(日経「春秋」2013/10/17付) 19年ぶりに30個を上回るかもしれないという。今年生まれた台風の数の話だ。26号が列島を襲い、伊豆大島では多くの尊い命が失われた。観測史上最多という大雨による土砂崩れが主な原因だ。自然のままの山や崖をふだん目にせず暮らす大都市の人々は、土砂崩れと聞いても身に迫った問題に感じにくいかもしれないが、26号でも、今年春に駅を地上から地下に移した都内の下北沢駅でホーム下の線路が冠水。しばらく列車を運転できなくなった。埋め立て、地下開発、崖や山を崩したり埋めたりしての都心再開発や郊外の住宅建設。都市の拡大は自然環境への挑戦・改変を伴う。いざという時の危険度合いは年を追い増していく。いったん牙をむいた水は怖い。自宅周りの大地と河川の素顔を、改めて点検しておきたい。
(JN) 私たちの生活する場所はコンクリート等で覆うってしまったり、新たにその場所に来た者には、その場所がどんなところであるのかわからない。日本は土地が山ばかりであるので、住宅地は斜面を利用したところが多い。昔は家を建てなかったような川沿いや湿地帯にも家は建つ。技術の発達で自然に対して入り込んでいく、どこにでも家を建てることができる。でも、自然は我々人間には想像もできない力がある。その力を少しでも、和らげることというより、受けない方法がないものか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61189880X11C13A0MM8000/