住宅総数に占める空き家の割合は13.5%と

(日経「春秋」2014/7/31付) 「駅15分、3LDK、築浅」。チクアサ、つまり建築年数が浅い物件を指す業界用語が、いつしか客を誘う惹句(じゃっく)になった。戸建てであれマンションであれ、そんな具合に日本人の「新しい家」志向は抜きがたい。その一方で新築物件がどんどん供給され、気がつけば空き家だらけの列島である。総務省の調査では、住宅総数に占める空き家の割合は昨年10月時点で13.5%と過去最高になったそうだ。住宅街のそこここで朽ちていく、人の住まぬ家はやがて街そのものを蝕(むしば)んでいくに違いない。「駅10分、土地35坪、上物あり」。ウワモノとは何かと問えばれっきとした家だという。こうした感覚が中古住宅を敬遠させるのだろう。それにこの手の上物、そこに残っているだけで土地の固定資産税を安くする。空き家に住み着いているのは時代に合わぬ制度でもあるらしい。
(JN) 空き家ばかりで人と出会えず、それでいて車にばかり出くわすそんなところを歩くと日本はどうなるのかと思う。空き家、場所によっては目に見えるだけでも13.5%以上に思われるところもある。日本の人口は減少し、しかも人口はあるところに集中するのであるから、空き家だらけになる。その土地は、空き家がそこにあるだけで価値が下がるとはなぜであろう。使えるものがあるのにと思うが、使えないものなのであろうか。私たち農耕民族は、自分の住処であるその土地から動くことが嫌いなのか、土地を買いそこへ家を建てたがる。やがて、そこから人は居なくなり、建物だけが残るのか。これは、土地を持つ者が都合の良い制度である以上、仕方ないのか。否、故郷をそんなところにしてはならないはずだ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO75014510R30C14A7MM8000/