(日経「社説」2012/12/23付) 26日に発足する安倍晋三政権が、来月中旬にも大型の経済対策を打ち出す。国費で10兆円規模の2012年度補正予算案を編成し、金融緩和の強化に動く日銀とともに景気を下支えする方針だ。だが不要不急の公共事業をばらまき、経済対策の規模だけを膨らませるのでは困る。安倍政権は防災・減災対策や震災復興の公共事業を中心に据える公算が大きい。自民党の「国土強靱(きょうじん)化計画」や、公明党の「防災・減災ニューディール」の具体化が想定される。老朽化したインフラの補修や公共施設の耐震化に、一定の投資が必要なのは確かだ。これを口実に無駄な公共事業を膨らませる動きには首をかしげざるを得ない。自民党は経済対策の財源を賄うため、民主党が財政運営の指針としてきた44兆円の新規国債発行枠を見直す考えも示している。重視したいのは新産業の育成や新技術の開発を促すような施策である。メリハリと規律が問われるのは13年度予算案も同じである。中長期的な成長戦略も欠かせない。自民党が公約した法人税の大胆な引き下げや不断の規制緩和を具体化する必要がある。環太平洋経済連携協定(TPP)には慎重だが、日本の貿易や投資を活性化する効果は大きい。一刻も早く参加を表明すべきだ。
(JN) 資本主義経済は恐慌サイクルの中で質的向上を図り発展する構造になっているが、それを国家政策においてそのサイクルを逃れようと小手先のテコ入れをするが、構造の陳腐化と好況の来ない社会になってしまっている。構造改革が叫ばれ、トライしたようにみえるのだが一向に変わらぬ各産業構造である。スローガンは美しいようだが、政策の具体的なことは変わるのか。また箱ものへのばらまき予算、コンクリートが儲かるようになるのか。3年前とは違う自民党がまずは自分たちの構造改革せよ。首相は命を懸けて、大臣に丸投げすることなくやっていくべきであろう。病に耐えることが辛いなら、引退すべきである。国を背負った者として邁進せよ。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49921180T21C12A2PE8000/