世界で最も虐げられている少数民族の一つ

  • (日経/春秋 2012/6/12付)国を持たない人々。ミャンマー西部ラカイン州に暮らすイスラム教徒のロヒンギャ族。30年前、ネ・ウィン将軍の独裁体制の下で施行された法律で「国民ではない」と定められたからだ。その数は80万とも100万ともいわれている。ミャンマーには130の少数民族がいるとされ、複雑な民族問題でも知られる。なかでも、ロヒンギャ族の境遇は深刻だ。国連は「世界で最も虐げられている少数民族の一つ」という。そのラカイン州で先週、多数派の仏教徒と少数派のイスラム教徒が激しく衝突した。憎悪が憎悪を生む、悲しい連鎖が起きている。スー・チーさんは近く、1991年に受賞したノーベル平和賞の記念講演を行う。昨年来の「民主改革」の進展を世界に印象づける機会ではある。一方で、ロヒンギャの人たちへの「国民ではない」との差別はなお続く。歴史を引きずるミャンマーの現実がそこにある。

=>(JN)日本人にはこの民族というものについて鈍感である。本来あるはずなのに、隠され、押さえつけられている。ミャンマーの民族問題の前に、自国のことを理解することが必要である。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO42483630S2A610C1MM8000/