政治は言葉だ 240319

 岸田文雄首相等の言い回しに『天風録(240319中國新聞)』は思う▲政治で肝心要のことは何か。孔子は答える。「必ずや名を正さんか」。渋沢栄一はこう読んだ。言葉を正しく使うのが統治の礎だと▲安っぽい「丁寧な説明」も「火の玉」となる決意も、化けの皮が剥がれた感がある。今度は自民党の再生に「命懸け」だそうである▲「うそ偽りなく丁寧に説明する」。衆院政治倫理審査会に現れた下村博文文部科学相も拍子抜け。「その場にいなかったので承知しない」と繰り返し、居合わせた場のことは「覚えていない」▲真相を知らないのなら、なぜ自ら突き止めようともしないのだろう。政治は言葉である。お茶を濁すだけの、正しくない言葉で、私たちの政治が腐りかけている。
 (私は)親、教師或いは上司からよく言われた。「言い訳はいらない」、「スポーツ新聞の見出しはいらない」、「わからぬなら調べろ」、「疑問を持たねば問題解決はできない」、「現場へ行け」。この人たちも、同じ教育を受けていないのか、否、忘れたふりをなさっているのか。

*画像は、24年3月19日の日本経済新聞および3月17日の朝日新聞より。