『#文化とは』<2022年11月3日(木)>
文化の日に『滴一滴(221103山陽新聞)』は思う▼なぜ、新憲法の公布日が文化の日に選ばれたのか▼参院本会議で、作家で審議を担った山本有三文化委員長が説明していた。「いかなる国もいまだかつて言われなかったところの戦争放棄という重大な宣言をいたして」「日本国民にとって忘れ難い日であります」。武に対する文。平和な国づくりを進めるとの決意表明なのだろう▼文化とは物や事ではなく、人間が物事にどのように関わるか、その関わりのあり方であると論じたのは世界各地を歩いた文化人類学者の故西江雅之さんだ。ある時代や地域の「どのように」が幾重にも重なって文化は成り立っていく▼折しも真庭市の大宮踊や笠岡市の白石踊など全国41の「風流踊」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しになった。共に舞って安寧を祈る。紛争が続く今の世界で、そんな文化を受け継ぐことは改めて誇らしい。
(私たちの)安寧な状況とは何だろうか▼文化の日のきょうも朝鮮半島からミサイルが発射された。この国は文化より軍事が大事なのか。こちらは、こころ穏やかにはならない。この国は豊かではないはずだ。これほど軍事に経費を割いて、国民の生活はどうなっているのか。国民は文化的生活を送ることができているのだろうか。
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*画像は「教育法六法」(学陽書房)および「日本国語大辞典」(小学館)