もう二度と戦争なんか起こすまい 240503

 憲法記念日に『天声人語(240503)』は平和を思う▼手塚治虫の『ジャングル大帝』、パンジャの死から物語は始まる。誤読する自由で言わせてもらえば、パンジャはジャパン。息子のレオはオレ。父の死後、生まれ変わる日本を示唆してはいないか▼レオはこの厳しい現実の中で、殺し合いを否定し、平和構築に奮闘していく▼手塚は、戦争の時代に育った。作品には、平和への強い思いが貫かれている▼ときは過ぎ、この国にはいま、戦争の暗い予感が広がる▼日本国憲法は、手塚の18歳の誕生日に公布された。「もう二度と、戦争なんか起こすまい、もう二度と、武器なんか持つまい、子孫の代までこの体験を伝えよう」。稀代の漫画家は、そう書き残している。
 (私たちの)憲法は私たちを国家という権力から自分たちを守るためにある。その憲法を国家の思うように変えられてはならない。多分、この憲法とて、完全ではないだろうし、時代とともに姿を変える必要はあろうが、その前に、やることが山ほどあると、レオは、そう思い、過去を振り返り、未来を思う。