『#パンダ人気と中国嫌い』

『#パンダ人気と中国嫌い』<2022年9月29日(木)>
 日中国交正常化50年に『南風録(220929南日本新聞)』は思う。パンダはなぜかわいいか。目元が黒い毛に覆われて大きく見え、しかも垂れ目ふう。人気ぶりには舌を巻く。東京・上野動物園では5年前に生まれたシャンシャンの獣舎前に長い列ができていた。飼育史のパネルも展示されている。中国との国交が正常化し、2頭贈られたのが始まりである。専用機で到着すると羽田空港からパトカーが先導して運び、本紙には「首相なみの扱い」の見出しが躍った。パンダがお膳立てした友好ムードは霧散してしまったのか。日本世論調査会が8~9月に行った調査で、中国に親しみを感じる人は13%だった。今後の両国関係についても89%が「悪くなる」と見ており、事態は深刻である。近所付き合いと同様、身勝手な振る舞いが過ぎれば評判も悪くなろう。日中の現状を風刺画にすれば、首脳同士が眉をつり上げてにらみ合う横でパンダがしょげている姿だろうか。
 (私は)あの時、この中国の繁栄を想像できなかった。パンダの赤ちゃんのように小さかった経済力が、半世紀経ちこんなにジャイアントな力を持つとは田中角栄は読んでいただろうか。私たちは、この力にただ反発するのではなく、米国の傘の下に隠れるのではなく、日本独自の中国との付き合いができないのか。ゆっくりでいいから、共に友好の階段をのぼって行けないか。
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