「だれしも焦らず、自分の道を行けばいい。胸の奥には、大事にした初心を。『やわらかい』心の中には、いつも『わかい』が隠れている」(天声人語)。「あくまで想像だが、自分で自分を養うという『大人』の語源は自分以外の人のことを考えるというニュアンスもいくらかは含んでいないか。自分の食欲を満たすことしか考えられない『餓鬼(ガキ)』とは違う」(筆洗)。「まずは社会の成り立ちを知る。今ある課題を知る。そして自分以外の異なる考えを知ったり、考えを知ってもらったりする。『大人になる』とは、この世を知るためにしっかり目を凝らすことと言えるのかもしれない」(滴一滴)。「高齢化が進み、地域は若者への期待を高める。とはいえ期待するからには、既に大人の私たちもしっかりしなくては。」(天風録)。
(私の)成人式は約半世紀前である。あの時、「大人」というものをどう考えていたであろうか、残念ながら「記憶にございません」。日本列島改造論、オイルショック、ロッキード事件、それでも、日本は経済成長していった。でも日本は米国から独立した「おとな」になったのか。まだ独立できていない子供のようである。では「大人」とは何だろう。