『#「証人」は地下にも』

『#「証人」は地下にも』<2022年3月27日(日)>
 被爆遺構展示館の公開に『天風録(220327中国新聞)』は思う。原爆ドームを真下から取材で拝ませてもらったことがある。足の裏は覚えている。れんが壁のがれきが靴底でこすれ合い、乾いた音を立てた。骨を踏んづけた気がして、鳥肌が立った▲その日から、広島市平和記念公園に足を踏み入れるたびに心苦しくなった▲その一角を掘り下げ、市がきのう被爆遺構展示館として公開を始めた。約3メートル四方には黒炭のような畳の跡も見える。陶板で再現したそうだ。被爆の実情を後々まで伝える施設は、「肌で感じる」がキーワードと聞く▲「証人」は地下にも人知れず眠っていたのである▲開館初日、折しも米国の駐日大使が広島を訪れていた。残念ながら展示館への立ち寄りはお預けになったらしい。被爆地で、察したものは何だろう。皮膚感覚が気になる。
 (私の)遥か昔の記憶だが、ドームの横を歩いた際、いまにも崩れてきそうであった。原爆投下はつい最近ではないか、半世紀以上前に思えぬ怖さがあった。1945年の夏、航空兵であった父が防府の基地から故郷へ戻る際に、「車窓からの広島、何もなかった」という話とダブり、足早にその場を去った。
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