『#君はヒロシマを見たのか』<2023年5月22日（月）>
Ｇ７首脳会議が終わり、『天風録(230522中國新聞)』は思う▲「君は広島で何も見ていない、何も」。日仏合作映画「ヒロシマ・モナムール」は、そんなせりふで始まる▲俳優の女は病院で被爆者に接し、原爆資料館にも足を運ぶ。それでも、被爆の惨苦にどれほど近づけたと言えるのか―▲Ｇ７や招待国の首脳、原爆資料館を訪ねた。ゼレンスキー大統領も。でも見たのは、ふるい分けされた展示物だ▲米国の注文らしい。「核のボタン」を預かっているバイデン大統領に迷いが生じるのを周りが嫌ったようだ▲裏返せば、超大国の元首まで恐れおののく影響力が資料館にある。加えて、「広島を見た」うちに入らぬことにも。取り繕った広島ビジョンや首脳声明は、見たと言えぬ証しである。
（私たちは）政治的アッピールの意味を考えたい▲広島での政治ショーは終わった。対ロシア連合は広がったのか。思いは深まったのか。本当に、ロシアのウクライナ侵攻を止めるつもりなのか。ロシアとの溝は深まるばかりだ▲互いが、「モナムール」と言わないまでも、対話の機会をつくりたい。
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