『国際秩序の安定を果てしなくのみ込むブラックホールとなりかねないシリア内戦』
「発端は少年たちの壁への落書きだったという」。先の見えないシリア内戦、「余録」(毎日新聞/2016/3/15)は問いかける。「もたらされたのは、流血と圧制、難民の大量流出という21世紀最悪の人道危機ばかりではない。難民受け入れをめぐって欧米諸国ではあからさまな排外主義が台頭し、国際テロは強圧的な治安対策を招いた。社会的対立と緊張という“内戦”は欧米にも持ち込まれた。5年間も惨状を放置してきた国際社会が自らの内に抱え込んだ対立と混沌である。」
地球上では、バランスの崩れた弱い場所で、破壊行動が起きる。それは主に二つの勢力に挟まれたところだ。それが地盤であれば地震が起きる。空気であれば、嵐が起きる。人間であれば、戦争が起きる。この破壊活動により、その部分のバランスが戻るように思われるが、この破壊により地球上のさまざまな所に影響を及ぼす。特に人間の世界では世界中に破壊活動が広がってしまった。シリアは、日本にとって遥か遠くのことではない。その地に赴いた者の犠牲だけではなく、世界中の日本人が影響を受ける。この状態を力で制圧すれば、またどこかで反発がある。では、和平協議をと言っても、どうなのか。一発解決はあり得ず、様々なほころびを一つ一つ直して行くしかないのであろう。(JN)