『こんど日本には「買い物省」ができるかな。』
日経「春秋」(2015/9/17付)は、小説「一九八四年」の役所名面白さからはじめ、今の財務省その他の詰め甘さを指摘する。
「『真理省』、『愛情省』、ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」に登場する役所の名。そしてこんど日本には『買い物省』ができるかな。財務省の還付制度案、それでは、還付では痛税感が和らがない。システム整備はきちんとできるのか。などなど批判が高まって案は早くも暗礁に乗り上げた。内輪で話をこしらえ、表に出したら非難殺到であえなく撤収。東京五輪をめぐる一連の騒ぎにも似ている。いつからこの国は詰めがこうも甘くなったのだろう。こういう失敗が重なるなら、かの小説みたいに『ビッグ・ブラザー』が万事を統べるほうがまし? 人々をそんな気分に陥らせかねない、不手際の危うい続発だ。」
財務省は現実を想像できないのかと思うほどのマイナンバー利用による還付制度案である。どちらかの副首相が「使わなければ還元されなだけのこと」と言っていたが、よくそんなことが言えたものである。何時まで殿様でやって行く心算か。国民を守るためにある憲法を行政側が都合よく解釈しようとしたり、我が国はまだ自由というものが理解されていない。この分だと、憲法解釈で基本的人権まで変えられたりしないであろうか。否、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」のである。(JN)