教育改革を語るなら地に足つけた議論を

(日経「社説」2012/12/5付) いじめ問題から大学「秋入学」の是非まで、教育をめぐる議論は多岐にわたるだけに国民の関心の対象も実にさまざまだ。だから選挙となると、構えの大きい制度改革論と学校現場の身近な課題がない交ぜになって語られることになる。自民党が今回の衆院選で掲げた教育分野の公約も、その色彩が濃い。自民党の教育公約は、安倍晋三総裁の意向を強く反映している。しかし、前回は6・3・3・4制改革などを提言したものの具体化は尻すぼみとなった。同じテーマに挑むというなら、そもそも現在の教育に何が求められているか、地に足の着いた論議から出発しなければならない。論点の多い自民党の教育公約に比べると、こんどの民主党マニフェストには注目すべき教育政策が盛り込まれていない。民主党はもともと、教育分野でも国と地方の役割の見直しを主張し、文部科学省出先機関化している教育委員会のあり方も含めて中央集権的なシステムの打破を唱えていた。前回衆院選のさいに打ち出した、そうした理念はどこへ消えたのだろう。問題意識は的外れではなく、他党の改革案と通じるものもある。構想を立て直し、斬新な教育の未来像を示してほしい。
(JN) 国は教育に対して細かく入り込むことなかれ。また戦前のようなものをお望みの党があるのであろうか。金は出して口は出さないとまでは言わないが、OECD諸国平均並みの投資を願いたい。教育は中央の机上の政策、票取りのための政策でないことを願う。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO49189330V01C12A2EA1000/