『「決」は、洪水を防ぐため、堤防を崩すことを意味した』

『「決」は、洪水を防ぐため、堤防を崩すことを意味した』
 安倍首相は「決めるときは決める」と、その『決』の字、日経「春秋」(2015/9/18付)は、その由来から安倍内閣に『不信ばかりが氾濫する』と述べている。
 「関東・東北に残る台風の爪痕はすさまじい。新たな被害も心配だ。決壊の文字さえ恨めしい。実は「決」の字は、水害との関わりがたいへんに深い。古代中国は黄河の氾濫に苦しんだ。『決』は、洪水を防ぐため、堤防を崩すことを意味した。『決河』ともいう。重大な決断が必要な策だった。大和ことばでは『キメル』である。歌舞伎で役者の演技が最高潮に達したとき、動きをぴたりと止めて、大きく見得をきる。それが決定を指すようになった。約束したり、衆議を一決したりする意味に発展したという。安倍首相は『決めるときは決める』と安保関連法案の成立をめざす。国会周辺では、反対派がデモを続ける。賛成派との亀裂は広がったままだ。参院で決まれば、落ち着くのか。身動きができなくなるのか。憲法論議でもめる中での採決は『決河』かもしれない。政治の堤防は崩し方を間違えると、不信ばかりが氾濫する。」
 黄河は周辺に氾濫を繰り返しながら、その地域の土を豊かにして行った。この河のおかげで、収穫もできるし、命や財産をも失う。その大自然の力を我々は、どのように見極めて利用して、自分たちを守って行くのか。為政者は、人の流れをどう捉えるのであろうか。一方では無理やり決めて押し通す、もう一方ではそれに反対と動議を繰り返す。国会の外の流れを見ているのであろうか。ここにいる者だけではない、家庭や職場その他で、様々な思いで国会を見ている。つまらぬ茶番劇で決めて、どうするのだろうか。不満は募るばかりである。この流れは、当分の間、不満と怒りで濁っているのか、早く子供たちが遊べる川に戻したい。(JN)