「ミシュランガイド」、星なし5000円以下の良質店

(日経「春秋」2014/12/5付) 花のお江戸の人々は外食が大好きだった。グルメガイドも出版されていて、「江戸名物酒飯手引草」なる本が出ている。高級料亭あり、うなぎ屋ありで、つまり昔からちまたの店の格付けをひどく気にするわれらである。そんな伝統ゆえか7年前に日本に上陸した「ミシュランガイド」も世に定着、ミシュラン掲載の店へ行ったのが自慢のおじさんもおられよう。きょう発売の新しい東京版は、星なしだが5000円以下の良質店という区分けの店を大幅に増やしている。「食べログ」で飲食店の評価をついネットなんぞでチェックしてしまいがちな昨今である。店に行く前になんだか腹ならぬ頭がいっぱい、情報に振り回されて料理の味はあまり覚えていない……。星にも点数にも、ほどほどに付き合うことである。
(JN) ガイドブックは便利である。ミシュランを本屋で立ち読みする。ネットでの情報も参照する。多くのものを参照する。つい、人の意見を気にしてしまう。そんなに他人のことなど気にしなくていいではないか、と思いつつも、人びとが良いと、多く言われるところへ行ってしまう、この情けなさか。否そうではない。多くの情報から良いものを選ぶのであるとも、言いたいが、情報が多いとまた悩んでしまい、考えることがいやになってしまい、多くの意見に動かされる。選挙も同じだろうか、みんなが良いという方向に票が向いてしまう。これはまずい。他人任せにせず、自分の頭で充分に考えねばならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80521660V01C14A2MM8000/