世界に戦火が絶えなかった200年 240507

 きょうで200年のベートーヴェン交響曲第9番に『天風録(240507中國新聞)』は思う▲大型連休のドライブ中に故小澤征爾さん指揮の「第九」を繰り返し聴いた▲200年前のウィーンの劇場、聴力を失っていた楽聖。初演の指揮を終えても万雷の拍手に気付かなかったとされるが、後に話が盛られたと見る研究もある▲逸話の一つを思い返した。戦時下の1943年12月、東京音楽学校で学徒出陣の学生たちを第四楽章の演奏で送り出した。そして終戦を挟んで4年後、帰らなかった彼らのため再び…。それを恒例の「歳末第九」の起源とする説が▲世界に戦火が絶えなかった200年。「全ての人々が兄弟となる」と歌う第九の理想は、いまだ果たせない。ガザの休戦交渉が進まない現実に胸を痛めたまま連休が終わった。
 (私は)思う。<ああ友よ、そんな調べではだめなのだ!>。今起きている戦火は対岸の火事ではない。私たちは国家権力者のゲームの駒になってはならないのではないか。この火を消すことに、声をあげたい。ガザだけではない。平和を願うものを応援しよう。そして、喜びの歌を共に歌えるように。