ハンスト、自由と民主を求めての抗議

(日経「春秋」2014/1/6付) 驚きのニュース、鳥羽水族館で育てているダイオウグソクムシという生き物が、絶食を始めてから6年目に入ったという。巨大な海のダンゴムシ。大きくなると全長35センチにもなる。正面からみると、映画「スター・ウォーズ」に登場する銀河帝国軍の歩兵「ストームトルーパー」に似ている。自然の中では水深数百メートルから2000メートルほどの深海底で暮らし、深い海の底はめったに食糧にありつけない環境なので、もともと飢えに強いのだろうと想像できる。海の外からも、絶食のニュースが届いた。1989年に中国を揺るがした天安門事件で武力弾圧された学生運動のリーダー、王丹氏らが、事件から25周年となる6月4日に向けてハンストをリレー形式で始めたのだ。自由と民主に背を向けたままの中国共産党政権への抗議が狙いだ。こちらは胸苦しい気持ちにさせられる。
(JN) ダイオウグソクムシが絶食6年目、目の前に美味しいものがあればすぐに飛びついてしまう者には、5年間も絶食をしている生き物がいるとは信じられない。それはさて置き、中国では自分たちの自由のために闘うハンガーストライキが始まる。リレー形式とは言え、これは無防備の闘いであり、中国当局にどれほどの影響を与えるのか。自分達だけを犠牲にするこの命を懸けての耐える抵抗、この自由への精神の継続がどこまで周りの一般大衆に影響を与えるか。当局者でも現場のものがこの姿を見てどう考えるか。自爆テロを行おうとする反体制派もこのような方法をかんがえることができないか。守も攻めるも力尽くはやめてほしい。実はダイオウグソクムシも自由のためにハンストをしているのかもしれない。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64901400W4A100C1MM8000/