中国経済はどこへ向かうのか

(日経「春秋」2014/7/6付) 「君子は豹変す(ひょうへん)」は、古代中国の周代にできあがったとされる書が原典になっている。五経の筆頭に挙げられ森羅万象は移り変わるものだと説く易経だ。易経には伝説上の帝王の黄帝や尭(ぎょう)、舜(しゅん)について、彼らは王位に就くと、物事に変化をもたらし、人々が暮らしに飽きないようにした。しかも変化を無理なく、喜んで受け入れられるように――。性急な改革は社会に摩擦を生みやすい。それを防ぐための上に立つ者への戒めなのかもしれない。現代の中国でも、急速な経済発展の裏側で起きているきしみを抑えようと、政府は懸命だ。格差拡大への不満を和らげるため、この地域では少なくともこれだけはもらえるという最低賃金を引き上げる動きが拡大。当局の目が届かない「影の銀行」や地方政府の債務の膨張問題も抱え、中国経済はどこへ向かうのか。社会にあつれきを起こさない配慮をしながら、「君子豹変」のような改革で国を成長に導くことは、簡単ではなさそうだ。易経にヒントはあるだろうか。
(JN) 閉じている箱に対して、資本主義は隙間があれば入り込み、その中を商品流通経済の世界に変えていき、狭かった隙間をどんどん広げて、世界的商品流通の世を作り上げていく。その力は、いかなる君主や組織であろうと妨げることができない。君主豹変しようがしまいが、関係ない。特に、中華の赤い政党の価値観が資本主義の価値観にマッチしているので、貧困格差はこれkらも広がるばかりであるが、華僑を生み出したこの国は世界経済での活躍は資本主義に期待される。この国の体制は何千年もかけて築き上げてきたものであるから、そう簡単に変えられない。何よりも巨大すぎる。この巨大な国家をそれぞれの地域の特色に応じて変えて行かねば、変えていくことが困難であろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO73860770W4A700C1MM8000/