24年前のきょう未明、共産党政権は民主化運動を武力で粉砕した

(日経「春秋」2013/6/4付) 趙紫陽・元中国共産党総書記が亡くなったのは、8年あまり前。大学生にインタビューしたところ「誰?」。趙氏が失脚したのは、1989年、天安門広場で盛り上がっていた民主化運動への対応が、生ぬるい。そんな批判を、保守的な幹部たちから浴びせられた結果だった。そして24年前のきょう未明。共産党政権は民主化運動を武力で粉砕した。天安門事件と呼ばれている惨劇だ。中国語では日付をとって「6.4」と呼ぶことが多い。インタビューした学生は「6.4」という言葉こそ知っていたが、事件についてはほとんど知らなかった。「共産党の歴史的誤り」とか「報道の自由」といったテーマを大学の授業で取り上げてはならない――。こうした指示を各地の大学に下したのだとか。相も変わらぬやり方だ。そんな共産党政権の高官が「日本は歴史と向き合っていない」などと声高に話すのを耳にすると、つい苦笑したくなる。他山の石といえようか。
(JN) 歴史は都合に応じて解釈される。その時の事実さえ、歴史とともに変化していくのであるから、立場が違えば向き合い方も違ってくる。従って、現在におけるお互いの立場を近づけない限り無理である。それを何とかしようとした壮大な試みがEUである。今の東アジアではこれに近いことができるであろうか。まずは自由に語り合うことから行うために、報道の自由を求めたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO55814990U3A600C1MM8000/