戦後を戦前にしないために 250109

 作曲家の久石譲さんが「もう戦後ではなくて『戦前』だと感じます」と語っていたのを読み胸を突かれたと『日報抄(250107)』▼「次の大きな戦争がすぐそこまで来ているのではないか」と心配しているという▼久石さんは今年、しっかり通して聴きたい曲として、バッハの「マタイ受難曲」を挙げた。「聴くたびに心が洗われ、人間の小ささを思い知る」と。300年ほど前に初演され、バッハの最高傑作といわれる▼CDを手に取って驚いた。3枚組みで演奏時間は3時間を優に超える。とにかく通して聴いてみた▼厳かな旋律に背筋が伸びる思いがした。久石さんは、音楽は戦争を止めることはできないと話す一方で「(平和のために)できることがある」とも述べた▼どうしたら戦争を止められるのか、考え続けなければならない。戦後を戦前にしないために。
 (私は)残念ながら「マタイ受難曲」をすべて通して聴いたことがない。キリスト教に対する知識は非常に乏しいが、この抜粋のCDを聴いて、何か迫ってくるものがある。音源に引き込まれて行く。この力、戦争を起こしている方々に聴いてもらい心洗ってもらいたい。先ずは、勇気ある撤退を願う。