国民の逆鱗に触れているか 240107

 新年の干支の辰に『筆洗(240107)』は思う▼宮沢賢治の物語(『手紙一』)に出てくる竜は穏やかで慈悲深い▼1匹の竜がもう悪いことをしない、誰も悩ませないと誓った。ある日、猟師がやって来て、自分の美しい皮をはぎとろうと▼竜は、されるがままに。すっかり皮を失った竜に今度は虫がたかる。虫に自分を食べさせ、とうとう死ぬ。この竜が天上でお釈迦様に生まれ変わったのだと▼辰年は政治とカネをめぐる大事件が目立つ。ロッキード事件(1976年)、リクルート事件(88年)。昨年末からの自民党のパーティー裏金事件は今年どんな展開を見せるか▼「逆鱗」とは竜のあごの下に生えた逆さ向きのウロコ。これを触られると竜は激怒する。自民党はとうに国民の逆鱗に触れている。
 (私は)思う。私たちは逆鱗を失っていないか。借金財政、八方にいい顔をして、カネをばらまく。幸せな良い国だと聞かされ、その気になり、自分は幸せだと思っていたが、貧富の差は広がる。裏金問題が表面化して、目覚めたか。さあ、風がタツ、波がタツ、腹がタツ、気がタツ、道理がタツようにしよう。