『逃北〜つかれたときは北へ逃げます』

『逃北〜つかれたときは北へ逃げます』
 「エッセイスト、能町みね子さんは、ふと、北に逃げたくなる衝動を『逃北』と名付けていらっしゃる」。「筆洗」(東京新聞/2016/3/27)は、「北海道新幹線の開業を期待している」と。「例えば、東海道新幹線が中央集権やモノカネの高度成長期の象徴なら、北海道新幹線は地方の落ち着いた風情で人を癒やす心の超特急にならぬか。東京−新函館北斗は最速で四時間二分。元気を取り戻すためのつかの間の『逃北』には適度な時間だろう。」
 「逃北」したい。北の自然は大きく厳しい。その中に一人入り込む。冒険ではなく、「逃北」、その中へ心が入っていく。数少ない経験ではあるが、そこにまた行きたい。それは列車の旅だ。一気に北海道へ行かない。まずは、東京から新幹線で新潟へ行き、そこから雪の日本海を列車で在来線で北上したい。新幹線はどこから乗るのか、青函トンネルを抜け、函館山に上る。あとは在来線で、東に向かう。想うに、夜行列車での無口になる夜明けのあの根室台地。叫びたくなる納沙布岬。何も見えなかった旭岳。大荒れの網走、オーロラ号は動かず。もっと北へ行きたい。新幹線と在来線を上手に使いたい。それから怖いが飛行機で大自然を上空から見るのも良い。(JN)