「水戸納豆」、フランスへ売り込んだ

「水戸納豆」、フランスへ売り込んだ
(日経「天声人語」2015年2月21日) 落語家の五代目古今亭志ん生は一時期、寄席から締め出されて納豆売りをした。しかし、売れなかった。「納豆ぉ〜」という呼び声が恥ずかしくて出せなかったからである。仕方なく売れ残りを朝昼晩と食べ続けた。年を取っても毎朝食べた。。納豆は、好き嫌いが分かれる食品だろう。西日本の読者から苦情の手紙を何通も頂いた。少なからぬ納豆嫌いに向け、独特のにおいや粘りを抑えた製品がつとに開発されてきた。今度は、粘り成分は通常より25%少なく、国内の消費が細る中、「水戸納豆」で知られる茨城県が県内の企業と組んでフランスへ売り込んだ。豆を煮込む伝統料理「カスレ」に使ったり、ペースト状にしてパンにのせたり。美食自慢の国に受け入れられるか、楽しみである。糸引きの弱い納豆とは何か頼りない感じもするが、和食を世界に発信する挑戦の一つとして頼もしくもある。「納豆ぉ〜」と呼ぶ声が響いてくる。
(JN) 何でこんなものを食べるのだろう。子ども時代に思ったものがいくつかある。それがその後に大体好きになっている。日常の食事の中に結構あった。チーズ、シイタケ、納豆、etc。これらが、青年期を経て好きになって行った。そして、日本人は皆好きであると思っていた。ところが、大学生になり、関西方面出身の友人が、「こんなもの食べられん」と申すではないか。納豆に、ご飯と生卵と醤油があれば、日本の朝食はOKと思っていたが、それは大変狭い考えであった。臭いし、ねばねばで食べられない。納豆は甘い物と。否、京都の大徳寺に行けば、ショッパイのもあるぞ、仲間で話題となった。その納豆は、健康に良く、保存が利く、安い。チーズに負けない臭さと味わい、是非とも、世界の皆様に知ってもらいたい。しかし、残念ながら、尿酸値の高い当方は、公式には最近食していない。
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