鍵は毎日過ごす職場そのもの、毎日の仕事そのものだ

鍵は毎日過ごす職場そのもの、毎日の仕事そのものだ
(日経「春秋」2015/4/1付) 生もと造り、コクがあり深い味わいの酒を造る。欠かせないのが蔵の中の多種多様な微生物だと二本松市大七酒造。櫂を繰り返し動かす仕事は重労働だが、根気よく続ければ、あとは目に見えない生物が応援してくれる。いい酒に育ちやすい。生もと造りに限らず、酒造は多かれ少なかれ蔵にすむ微生物が黒子を演じる。人づくりにも通じる。大事なのは本人が自ら成長する環境をつくること。今年も企業に新入社員が入った。土光敏夫氏は言っていた。立派な教育施設も猛烈特訓もいらない。鍵は上司と部下が毎日過ごす職場そのもの、毎日の仕事そのものだ、と(「新訂・経営の行動指針」)。若手が自己開発したくなる職場とは? 仕事とは? 試行錯誤が続く。
(JN) 指示しなくとも、自ら考えて新たな開発を進める。問題があれば、お互いの穴を埋めていく。そういう現場になるためには、訓練が必要だ。自ら問題を見つけるとか、自発的なとか、自己開発とか、いわゆる言われたことをするのではない自律的な行動を期待されるが、まずは基本に忠実で指示通りに仕事ができなくては困る。新人は、仕事を覚えろ。好き勝手に活動的では困る。チームプレーや基本的な作業を体で覚え、その上で頭を使って問題発見。スタンドプレーは無しである。仕事を選ぶな。組織の順列に従って行け。でも、型にはまるな。上司に何でもYesではいかん。自分で考えろ。考えるより動け。勝手に動くな。この矛盾の中で、方法を見つけ出し発酵して行かねばならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85129000R00C15A4MM8000/