打ち上げられた深海魚の竜宮からの新たなメッセージ

(日経「春秋」2014/4/6付) リュウグウノツカイをご存じだろうか。この深海にすむはずのこの魚が、今年に入って各地で見つかっている。これ以外にも、ダイオウイカサケガシラといった深海からの珍客が相次いで水揚げされている。深海のこうした生きものが、なぜ人間の前に姿を現すのだろうか。これは、人間の側が原因を作っている面もあるようだ。深海魚のミズウオを解剖すると、9割近い確率で胃の中からレジ袋やペットボトルのキャップなどが出てくるという。陸の上で気軽に捨てたゴミが回り回って、海の底まで汚す。浦島太郎を背中にのせ、竜宮城へといざなったウミガメも、好物のクラゲと間違ってビニールやプラスチックを飲み込み、死んでしまうことが少なくない。打ち上げられた深海魚は、竜宮から新たなメッセージを届けに来ているということであろうか。
(JN) 私たちは生態系に挑み、自分たちに過ごしやすい世界を作ることを続けている。それは、本当に私たちにとって過ごしやすい世界なのかわからないが、自然界の生き物には迷惑をかけている。目に見えるところでは、意識を持った団体が自然を守ろうと活動をしているが、深海は見えないので、今、いくつかの生物が出現してわかる。でも、そのメッセージに真に意味を捉えるには時間がかかるし、それからの行動に身時間がかかる。また、この事象が私たちにどんな影響を与えるのか。竜宮からの使いのメッセージを早く解明しよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69475030W4A400C1MM8000/