食材虚偽表示問題を受けてのガイドライン案

(日経「春秋」2014/1/29付) ヤマメは渓流の女王と呼ばれる美しい魚だ。その塩焼きは、まさに山の味なのだが、まったく同じ種でも海に下るタイプがあって、サクラマス、大きさはヤマメの3倍にもなるという。サケ科にはこの類が多く、アマゴとサツキマス、ヒメマスとベニザケもそれぞれ同じ魚だ。淡水に棲(す)むか海をも領分とするか。その違いが見た目も味も変える。ニジマスもまた降海型は体長1メートル余の堂々たるサケの仲間と相成るのだ。昨今はこれを海水養殖する技術が進み、大いに流通するようになった。すしネタのサーモンも、シャケ茶漬けの塩ザケも、じつは多くがこの魚だ。こういう現状に消費者庁はいたくご立腹らしい。食材虚偽表示問題を受けてまとめたメニュー表示のガイドライン案で、もともとの名であるニジマスと称するよう求めている。いまさらニジマスと呼ぶのがどれほど世のため人のためになるのか……。そんなに厳密にしたいなら、このさい学名を使うよう命令したらどうだろう。オンコリンクス・ミキス茶漬けと呼べ、などと。
(JN) 毒でなければ美味しければ名称などよいのではないか。大枠の中では同一種であれば、そんなに目くじらを立てるほどのことであろうか。悪いものを出しているのではないし、本質が同じなのだから、あのエビの問題とは違うでしょう。でも、名称と中身の差、それは偽りであれば詐欺であるのか。子供たちにはこのあやふやではいけないから、やはりはっきりさせた方が良いでしょうから、ニジマスのサケ茶漬けではどうだろう。にぎりはニジマスのサーモン? これではわからない。皆様わかりやすくお願いします。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66036690Z20C14A1MM8000/