「新卒一括」採用は本当に効率的か

(日経「社説」2014/4/7付) 大手企業は4月から一斉に、4年生になった学生に筆記試験や面接を始めた。こうした特定の時期に集中して学生を選考し、内定を出す新卒一括採用方式は、企業が採用コストを抑えられる効率的なやり方として定着してきた。だが、この方式は、本当に効率的といえるのだろうか。一括採用方式では、学生はいったん選考に漏れると就職の機会が狭まってしまう。同時に企業もこの方式にとらわれ過ぎると、人材を十分に確保できない恐れがある。今後、学生の取り合いは激しさを増す可能性がある。理由のひとつは企業業績の回復だ。2つ目は経団連が、この4月に3年生になった学生の採用から、選考試験の解禁時期を現在の4年の4月から8月に遅らせることだ。グローバル競争の激化で、企業の採用は学生の質を重視する傾向が強まっている。企業は戦力になる人材を見極めて採る力を一段と問われている。人事部任せでなく、事業部門が直接、開発やマーケティングなどに携わる人材を採る方法もある。学生への企業の説明力も大事だ。具体的な仕事内容をはじめ、入社後はどのようにキャリアを積め、活躍の場が広がるかなどの情報を的確に伝えることが、優秀な学生を呼び込むには欠かせない。
(JN) 日本は幼児教育からトラック一本で、ところてん式である。就職活動も、その続きで一斉に行われ、採用は4月からである。日本という国は、大変、平等を大切にする国なのであろうか。皆と同じが大事なのであろうか。皆と同じにやっているので、私の失敗ではないともいえるのであろうか。社会主義的なあり方だ。資本主義社会にとって、これは自由競争において有効・効果的ではないのではないか。大学との授業に対してもこの影響はどうなのか。もう、一斉によーいドンではなく、それぞれが個々に輝く採用ができないものか。新卒のこだわらない、4月1日にこだわらない、お見合い一発方式ではない、手間をかけての採用を行い、ミスマッチもなくしたい。学生を送り出す大学でも、新卒採用活動を行っている。これは各大学苦労しているが、これこそ企業の方式を真似するのではなく、ポリシーに基づく採用方針を基に、丁寧な発掘作業をすべきであろう。大学が採用の見本を見せるべきではなかろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69491390X00C14A4PE8000/