「放した馬は捕まえられるが、放した言葉は捕まらない」

(日経「春秋」2014/2/21付) 引っ越しで家具を動かすと、乱雑な過去と遭遇する。今年もまた異動や転勤の季節がやってきた。モンゴルの遊牧民は、引っ越しに特別の感情を抱かないそうだ。年に4回も移動するのだから当然だろう。日本人ひとり当たりの所有物の数は約1万個だが、モンゴル人は約3百個だという。おそらく多くの日本人は、本当は要らない物に囲まれて、窮屈に暮らしている。「放した馬は捕まえられるが、放した言葉は捕まらない」「百歳の人はいないが千年の言葉はある」。モンゴルの格言である。物に執着しない人々は、その代わり言葉を大切にするという。言葉とは、心の記憶であり想念であろう。見習うべきかもしれない。引っ越しは、自分にとり何が本当に大切かを問う好機でもある。
(JN) 引っ越しの時や異動の際に、前回梱包したままのものが出てくる。正にこれはいらないものなのであろうが、そのまま一緒に引っ越して行く。何と無駄なことをしているのかと思うのだが捨てられない。その箱を開けて整理すれば新たな発見もあろうが、慌ただしさに感けて右から左へ動くだけとなってしまう。引っ越すも異動も、突然ではないのだから、計画的に処分していくべきであろう。物とともに何を整理するか、計画的に考えて行こう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO67164660R20C14A2MM8000/