日々の買い物は投票であり投資である

(日経「春秋」2013/11/1付) 残念というしかないが、料理の虚偽表示問題が全国に広がりつつある。発端となったホテル以外にも、食材の種類や製法などを偽って、あるいはいい加減に表記していたところが相当数あったという。地元以外の食材を地元産と表記したり、離れた場所の野菜を地場野菜と称したりした例が報じられている。客は新鮮さにだけ余分な出費をしたわけではない。できれば自分の地元の農家に生き残ってほしい。そうした応援や支持の意味合いも、支払う料金に込められていたはずだ。日々の買い物は投票であり投資である。私たちは公約で政治家を選び、決算や事業計画を見て株を買う。何気ない料理選びにも、そうした思いが多かれ少なかれ働くのが今だ。「店」とは本来、真摯で厳粛な、真剣勝負の場だ。虚偽記載で投資を募れば企業には厳罰が下る。店の使命に無自覚な経営者が多いことに驚く。
(JN) 私のような味覚音痴の見栄っ張りは直ぐに、甘い言葉に引っかかる。簡単に信用するなと言われそうだが、お互いの信用によって品物の流通は成り立っているのであろう。姑息な経営はやがて滅びるであろうが、騙されてばかりでは困ったものだ。我々はもう少し大人にならねばならない。少しは疑うのが賢人かもしれない。知ったかぶりをせず、しっかりと確認をして投資をして行きましょう。それはお店に並ぶ商品やメニューだけでなく、選挙立候補者も十分に自分で吟味しましょう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO61955080R01C13A1MM8000/