「成人力」、24カ国中で日本がトップ

(日経「春秋」2013/10/9付) 「成人力」とは何か。作家の浅田次郎さんは「この人は人物だな」と思わせるような人が持つ人間としての成熟度だと言い、近藤誠一文化庁長官は「数字では測れない、人が持つ総合的な魅力や知恵を連想する」と言った。しかし、経済協力開発機構OECD)が初めて行った「国際成人力調査」は、2人のいう「成人力」を知るためのものではない。まずは、原題を「○×力」という賞味期限が切れかかった造語に翻訳したお役所のセンスが悪い、と小言を呈したうえでの話である。では何のための調査かといえば、国際化、情報化したいまの時代に仕事や日常生活で求められるスキルを測って、各国の成績を比べるものだという。結果はざっくりいえば24カ国中で日本がトップ。なかんずく、読解力など調べた3分野いずれも、日本で一番成績がよかったのは20代後半である。この調査のいう「成人力」とは、スポーツ選手の能力に似ているのかもしれない。
(JN) 日本人の「成人力」がトップ?喜んでよいのであろうか。我々は海外との交渉に大人の付き合いができず、苦慮しているはずだ。その原因を正しく分析して改善すべきであるところを、素晴らしい今の力をさらに伸ばしなさいということなであろうか。そんなの本当かとウェッブサイトを確認すると、http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/1287165.htm、確かにそうなのである。まあ、これはこれとして、まずは日本の政治家が成人になるにはどうすればよいか、検討してもらいたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60840160Z01C13A0MM8000/